ポニーテールと百合

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10月ベスト映画『ウィリーズ・ワンダーランド』をおすすめしたい

10月もいろいろと映画を観ましたが、とくに『ウィリーズ・ワンダーランド』(2021)がおすすめできる映画でした。

サブスクだとAmazon Prime Video の見放題で観ることができます。

 

そこはかとなくFNaF

 

あらすじ:舞台はアメリカのとある小さな町。この町を訪れた無口な男(ニコラス・ケイジ)は、ある事件によって閉業し、廃墟となったテーマパーク「ウィリーズ・ワンダーランド」でひょんなことから一晩清掃のアルバイトをすることになる。一方その頃、地元の若者たちはこの廃墟に火を放つ準備を秘密裏に進めていた。実は「ウィリーズ・ワンダーランド」は入った者が次々行方不明になる曰く付きのテーマパークであり、若者たちはこの「曰く」に自分たちで決着をつけようとしていたのだ。

 

 

はじめに言っておくと、この映画は全くホラーではありません。強いて言えばホラー風味。むしろホラー映画のお約束をなぞりつつそれを正面からボコボコに殴り倒すような映画で、ホラーが好きな人ほど次の展開が読めてしまうような脚本なので、むしろホラーが苦手な人の方がハラハラドキドキしながら楽しめるかもしれません

 

舞台のテーマパーク、ウィリーズ・ワンダーランドはわれわれが想像するようなディズニーランド的なものではなく、まさにホラーゲームFive Nights at Freddy'sっぽい感じで、子ども向けのピザ屋にゲームコーナーや屋内アスレチックがついたような場所です。在りし日のウィリーズ・ワンダーランドは、ポスター中央のイタチ、ウィリーをリーダーとするアニマトロニクスたちが歌を歌ったり、楽器を演奏したりして子どもたちを楽しませていたという過去が劇中で明らかになります。

 

そして、ある子どもがアニマトロニクスにいたずらをし、それが原因で子どもが怪我をしたため、親たちからの抗議でウィリーズ・ワンダーランドは閉業に追い込まれたとのこと。主人公の無口な男が訪れた時点では、アニマトロニクスをはじめとした各種設備はそのまま店内に打ち棄てられ、埃をかぶっていました。真面目な主人公が寡黙に清掃に取り掛かると、背後に怪しげな影が…

 

「頭を喰ってやる!」

 

ホラー映画のお約束 人形は動く

 

アニマトロニクスのうち一体がひとりでに動き、主人公に襲いかかってきます。このアニマトロニクス、悲しい過去が原因なのかなんなのかゾンビ的な感じでシンプルに人を食います。ギャア!志村!後ろ後ろ!

一般的なホラー映画ならお約束的に主人公は悲鳴をあげて辛くも逃げ出し、人喰いアニマトロニクスと一晩中の命懸けの鬼ごっこが始まるところ、この映画はお約束に真正面から挑んでいく映画なのでそういうことにはなりません。

 

この主人公はめちゃくちゃ強いので問題なく人喰いアニマトロニクスを返り討ちにしてボッコボコにします。アニマトロニクスがあげる妙に人間じみた悲鳴もお構いなく殴り倒し、飛び散る返りオイルまみれになりながらパーツを引き摺り出してトドメを刺すさまはまさに『13日の金曜日』のようなスプラッター・ホラー。どっちが殺人鬼かわかんねえなこれ。

今までウィリーズ・ワンダーランドにやってきた人間たちは問題なくオヤツにできていたのに、突然狩る側から狩られる側に回ってしまったアニマトロニクスたち。果たして凶暴な殺アニマトロニクス主人公の魔の手から逃れることはできるのか…? 主人公は動き回る埃まみれの汚ねえアニマトロニクスを全員スクラップにし、無事に清掃を完了することはできるのか?

もちろん後ほど普通に食べられる要員の人間も登場するので安心!

 

88分というとってもコンパクトな尺に中弛みもなく綺麗に収まった映画だったので、気楽に観ることができるかと思います。コーラとポップコーン片手に主人公を応援しましょう。観たら感想教えてください。それでは〜